【目次】
2ページ→「猟を仕事に」現役大学生の松浦あづみが考える猟師ビジネス
3ページ→「自給自足」に憧れる地域おこし協力隊の渡辺実優。猟をきっかけに関係人口を増やしたい
4ページ→「猟は身近な存在」殿岡邦吉さんの娘・平井沙有理さんが猟を始めるまで
5ページ→「自然の中で生きる」静岡市から1時間かけて猟を習う勝山翔太さんの猟と人生観
【自給自足に憧れて】渡辺 実優
静岡県浜松市にある静岡文化芸術大学でデザインを学ぶ。大学のゼミで川根本町に関わり、大学4年生の6月に地域おこし協力隊として移住。主に地域の情報発信・PRの仕事をしている。自給自足に憧れ猟師として修業中。
川根本町へ移住した経緯は?
私の人生の目標は田舎でのんびり自分らしく生きること!仕事と私生活のバランスを考えた時、金銭的な豊かさよりも心や時間にゆとりある生活を大切にしたいと思いました。
大学3年生のとき、ゼミの関係で川根本町に関わりました。そして、町民のみなさんが驚くほど色々なことに協力してくれました!地域との関わりを通して、「川根本町は自分がやりたいことを実現できる町だ」と確信しました。
その後、川根本町で地域活性化ができる仕事を探していたところ、役場の方から「地域おこし協力隊」の仕事を紹介してもらいました。地域おこし協力隊とは過疎地域に人を呼び込み、地域に関わる仕事をしてもらうという総務省の制度です。
こんな機会は二度とない。当時大学4年生の6月でしたが地域おこし協力隊に応募しました。そして、大学のあった浜松市(静岡県)から川根本町(静岡県)へ移住。コロナの影響もあり、川根本町に住みながら週に一回のゼミをオンラインにしてもらうことで何とか仕事と学業を両立させました。
猟に行くきっかけ
自給自足に憧れて畑を耕していたので、猟へ行くきっかけは「お肉も食べれるようになりたい!」という軽い気持ちでした。
ベテラン猟師の殿岡さんのところへ初めてご挨拶に行ったとき、「猟に興味があります。見学してみたいです!」と緊張交じりに挨拶したところ「良いよ~」と軽いお返事。今では猟のみならず人生の師匠として、色々なことを教えてくれます。
御夕飯に招いてくれたり、車や家の相談まで乗ってくれるため、勝手に第二の実家のように感じています笑
料理上手な殿岡 直美さんの手料理!自家製のお茶も美味しかったです!
猟を始めて感じたこと
猟師というと、職人の世界です。職人というと、怒声の響く現場で見て覚えさせられるのでは?と不安になりますよね。しかし、殿岡さんは全く逆でした。解体の仕方を教えるときも、わなをかけるときも、まずお手本を見せて論理的に解説をしてくれます。そして、私に実践させてみて、最後にもう一度お手本を見せてくれます。とにかく、教えるのがうまいです。人間性もあって、いつの間にかこの人のために働きたい!と思ってしまう人ですね。
猟師を仕事にできたら、もっと理想の生活に近づけると思います。そんなんじゃ生きていけない、人生あまくない。人生苦しんでなんぼ!なんて言われることもあるかもですが、全部無視します!(笑)
なぜなら、川根本町には実践してる人がたくさんいるから。理想に近づくためにやることはたくさんあるけれど、自分らしく生きるという目標はぶれずに生きたいです。
今後の目標
今後は大学で学んだデザインの技術を活かして、川根本町産ジビエを有名にしたいです。川根本町は移住者が多く起業する人が多い事、限界集落に危機感を持つ住民がいることから他の町よりエネルギーがあるように感じます!新しいことに挑戦しやすい場所。とても楽しいです。
ジビエを起点に町が元気になるためには、ジビエの安定的な収益が必要です。今後は、同大学の松浦あづみとジビエ資源を活用したビジネスを考えていく予定です。
限界集落の川根本町で同時期に若い人がこんなに集まって猟師になろうとしたのは奇跡だと思います。猟を通して若者が輝ける町にしていきたいです。
【まとめ】
川根本町では、今はまだ新人猟師が猟師だけで生きていくのは難しいです。しかし、殿岡邦吉さんのように丁寧に猟師の仕事を教えてくれる人がいる。地域の方が、若者のやりたいことを全力で応援してくれる。
川根本町はヨソモノが地域に溶け込み活躍するために必要な土壌がある町だと思います。今後は、 自給自足やスローライフを求める若者が川根本町で活躍できるように猟師の仕事を整備していく予定です。
次のページでは、猟師の殿岡邦吉さんの娘、平井沙有理さんを紹介します。